この時期、 カンボジアでは マンゴーが旬を迎えている。
私たちがマンゴーというとあの黄色く熟したものを想像するが、プーンアジの生徒は 熟す前の緑のマンゴーが大好きだ。ゴリゴリして 渋くて 酸っぱい けど、それに唐辛子と塩と砂糖(時に海老ペーストも加えてを混ぜた調味料を付けて食べるのが大好き。
今年は庭のマンゴーが豊作で、毎日のようにみんなが木登りをして食べているので、熟すまで 日本人が 待って いると ご相伴にあずかることができない。「え、あの黄色く 熟したのは食べないの?」と聞いたら、甘すぎて嫌だという。お?あんなにコーラや甘いものが好きなのにどうしてかしら?とここは理解に苦しむのだが、あの果物はそういう食べ方ではないらしい。ただランブータンとかは甘くてもオッケーな果物もあるのでその線引きが難しいが、私たち日本人が果物のアボカドを醤油とワサビで食べるのと同じだろう。彼らの食習慣なのである。
庭にあるほかの木の実とかも食べていて時折お裾分けをもらうが、やはりだいたい渋い。渋みはあまり気にしないようだ。そして食後にデザートとして甘い果物を味わうというよりは、おなかが空いたときにおやつとして食べるという感覚。このカンボジア人の味覚だったら、日本の果物を食べたら、まるで砂糖を食べているように感じるだろう。
ここカンボジアの田舎の子たちだけの現象なのか、タイや周辺国はどうなのかわからないが、それにしても自然に生えているものをそのまま食べることで、手を加えていないそのものの味が好き。
木登りをして苦労して彼らが喜んで食べている姿を見ていると、とかく日本は毎日の生活の食べ物を “工業製品”とみなして、付加価値をつけるために手をかけすぎているのかもしれない。
アフターコロナはもっと自然のままで、農家さんも楽でいいのだと思ってしまう。変わるべきは購入者、流通に携わる人々なのだというのに気づかされた。