チャンギ空港には有名な「蝶の庭園」がある。面積は大きくないが２フロアにわたり、蝶が放し飼いになっている。この庭園では花は主役ではなく、あくまでも蝶の餌なので、花の頭だけが飾られている。パイナップルなどの果実も蜜を供給するためにたくさん並べられている。ここの蝶はこの庭園生まれのもの。ここで交配した卵から孵化したものがほとんどである。この庭園の外に自然が広がっていることなど知りもしない。人間がそばにいても全く気にせずに飛んでいるし、手や頭に止まったりもする。ゆっくりと羽を広げてシャッター音も気にしないようだ。航空機が窓の外に並んでいる風景を背景にして、再現した小さな熱帯雨林の中を飛び回る蝶たちの姿はとても美しいのだが。