インドの絹織物の里「インドのお蚕さん2」

with コメントはまだありません

この家では蚕が繭になるまでを手がけているらしい。
屋上には蚕が繭になる時に使う道具(日本ではマブシといって格子状のものを使う)を見せてくれる。
なんと円形。おそらくは竹と椰子のような葉っぱで組まれている。
今の蚕が育ってきたら、綺麗にしてここに置いていくのだという。
日本だと…と格子状の絵を描いたら「うん、そんなのも使うけど、手間がかかるしコストもかかる」と一蹴された。
桑の育ち具合といい、下の蚕の様子、これから使うんだというインド式マブシ。
養蚕は一年に一度と思っていたけど、インドでは年に何回もできるんだな…。
だからこそ豊かに絹製品が残っているのだろうか…。
確かに普段使いではないのだろうけど、よそゆきのサリーは絹なんだろう。
そもそも都会でも年齢が高くなるとみんなサリーだし(大学の教員も基本サリーかクルタ)、田舎で作業している人もサリーだし…。
恵里子さんが前に来た時も「日本の着物が廃れてしまったのに、インドではサリーが現役で着られているのが何より羨ましい」と感激されていたし。

染色も経糸を組む整経も工場主さんのところやその近くでやっているとのこと。

ここは一村丸ごと絹の村なのである。

そう思いながら、日本に帰ってきた。
で、調べてみるとインドの絹糸の生産高は世界第2位(中国が大半を占めて第1位)。
そして主産地はカルナータカ州!!!(バンガロールはカルナータカ州の州都である)。
確かに若い生産者が減ってはいるけれど、他分野から入ってくる人もいる。
BBCのサイトの記事だと生物学の博士号をとった人が養蚕農家に転身したりしていて、糸繰りを機械化した製糸業にとって繭の増産が課題になっているのだとか。
ちなみに蚕から繭をとる回数だけど、日本でもかつては年5回ぐらい行っていた(大洲市喜多郡。田植えと稲刈り時を除いて霜の降りるまで練炭を焚きながら)。おそらくインドだと年10回程度はできるのではないだろうか。
そしてインドには多様な種類の蚕がいるーEriとかMugaとかTasav。
桑の葉を食べる「お蚕さん」は完全に家畜化されていて、人間の手をへないと卵を産めないのだけれど、インドの蚕には人がまだ完全には飼い慣らしていない蚕もいる(日本だと山繭といわれそうな感じ)。とはいえ気候変動とお茶の木(殺虫剤等を撒く)の生産で野生的な蚕が少なくなってきているのだそうだ。

絹製品も多様だけれど、蚕の育て方も、そして蚕の種類も多様なインドなのである。

染色と整経工場

インド式マブシ(動画)

染色と整経工場(動画)