10月、パリで開催されたsalon de la photoのイベントに行ってきました。
山口県楠の暮らしを撮影している写真家、丹野雄二さんの受賞作品が展示されていました。
場所は19区にあり、パリと聞いてイメージする観光地ではなく、人々が実際に暮らしているところになります。特に、公園や緑が多く、若いカップルやお子さんがいる夫婦が多く暮らしているところになります。
会場は公園の中にありました。美術展でなく商業的な会場であったので、あまり人はいないのかなと思っていたのですが、土曜日ということもありかなりたくさんいました。丹野さんの写真は2階に飾ってあり、1階は主にカメラ関係のメーカーやインク・写真学校、製紙会社等、写真に関わる会社の展示会や説明会が行われていました。
会場に来て驚いた事は、日本のメーカーで溢れていること。欧州では、日本のカメラの信頼がとても高く、写真愛好家は必ず1台は日本製のカメラを持っていると言われています。日本のものづくりへの拘りの強さを改めて感じました。海外の市場や国際市場・価値観に流されるのでなく、頑固とは違い、自分の価値や信念をぶらさないことも大切なのではと考えさせられました。
2階の丹野さんの写真は、他の世界中の写真の多彩さと対照的に、素朴な美しさが際立っているように感じました。自然と調和した中の写真で、これは日本の写真というよりはもしかしたら自然と調和した生活をした世界のどこでも見られるのかもしれません。”身土不二”というタイトルは、”開拓精神””資本主義中心”の欧州ではかなり珍しく、そのコンセプトを写真からとるというのが、とても印象的でした。欧州では、キリスト教中心で、”神”が一番で、人間は独立して居て自然の中の一部という考えはあまりないのかもしれません。サステイナビリティ(持続可能性)という言葉が、注目を浴びるようになった現在に、日本の従来の生活の仕方は、すでに私たちは自然の一部で、共生していたものだったのかもしれないと思うようになりました。このようなメッセージを持った写真は他になかったので、来場者の方も興味深く、吸い込まれるように見ていたのが印象的です。
静かに波を立てるように、人々の心に染み込んでいくような写真でした。

写真家の丹野雄二さん

日本企業で溢れるパリの会場

楠の写真を見るパリの人たち