松井名津
イランイランというと、アロマ関係者にとっては最初に習う精油の一つ。濃厚な香りで「女性性を開く」といわれ、不安や憂鬱な気持ちを和らげる精油と習います。
教科書に載っているイランイランは黄色で変わった形をした花。いかにも熱帯の花という感じです。だから花の香りも濃厚で、クチナシやジャスミンのように遠くからでも香る花だと思っていました。
でも、バリの農家さんの庭であったイランイランは蕾だったこともあって控えめな印象。小さくて、でも鼻を近づけるとしっかりとした香りがあります。「もう少し大きく花が開いたら、もっと香りが良くなるのよ」といわれました。現地では枕元に置いたりして、日常的な花のようです。静かな庭の片隅に咲くイランイランは、多くは語らないけどしっかりと家を守ってくれる花のように見えました。