アジアと繋いで起業―昆虫食レシピを発信準備中

with コメントはまだありません

大学2年 後藤薫平

僕が昆虫レシピを発信する目的は、食べてみたいな、面白いなと興味を持ってもらうことです。
実際に僕が昆虫に慣れてしまったのもあり、感覚的にはそのままでもおいしければいいかという風に思ったりしましたが、昆虫は食べ物ではないと思っている人たちに試してみたいと思わせたいので、おいしそうに見えるように写真を撮ったり、コオロギを砕いて受け入れやすくするなど、身近な人からも見て食べたいと思うのかをよく考えて作ります。


味はおいしいと思って食べています。特にパンにコオロギとチーズをのせたレシピは大分おいしかったです。現在はカンボジアから粉砕したコオロギを素材として使っています。乾燥コオロギの成分はタンパク質、動物性脂肪、必須アミノ酸、ビタミンB12、オメガ3脂肪酸、ミネラル、キチン(繊維質)が含まれていて、虫でいろんな栄養を摂れるのはわかりました。栄養の面から昆虫食を考えた時には、乾燥させている分タンパク質が重さに対して7割ととても高いです。しかし、昆虫だからというわけではなく、乾燥豚肉もあります。乾燥豚肉と乾燥昆虫の大きな違いは、乾燥昆虫は乾燥肉に比べて作りやすく、サクサクしたスナックとして食べられることです。間食として少しずつタンパク質を摂取できるところはひとつ昆虫食が優れている部分です。
また、コオロギは家畜の肉に比べて飼料効率がよいと言われています。それが実際に育てようと考えた時にコオロギだと何がいいかというと、育てた牛や豚を食べる時には解体をしないといけなくてとても大きな負担ですが、コオロギは飼育だけでなく食べられる状態にするのも簡単だという点です。豚や牛の肉が供給できない状態になった時、専門性が必要なく供給しやすいコオロギがすぐに代替肉としての立場を得られると思っています(昆虫を食べる壁は超えないといけませんが)。

なぜコオロギは難しいのかに対しては今の僕はまだ自信を持って言える状態ではないですが、今の肉が食べられなくなったときにタンパク質を得る一つの選択肢として昆虫を広めたいというのが根底にあり、そのためにはおいしくないといけない。人は社会的意味に賛同し食べ始めるのではなく、少し身近な意味、例えば栄養があるとかおいしいとかが必要です。そういう意味で僕が昆虫食に対して掲げたいテーマは、未知の味、未開拓のレシピです。
世界に昆虫は175万種いて哺乳類は6000種いると言われています。食べられる昆虫はほんの一握りかもしれませんが175万種の一握りと言えば食卓が彩られることが想像できます。もしかしたら今ある料理よりもさらにおいしい料理が存在するかもしれないという夢があります。
僕はカンボジアで食べられているものを素材として試せますが、それより先には壁があります。肉は豚肉、牛肉、魚肉と日常的に使っている素材の種類は意外と少ないです。それでこんなにたくさんおいしい料理があるので、新しい組み合わせによってもおいしいレシピを見つけられると思います。松井名津さんにもイギリスの昆虫食に関する資料をいただきましたが、参考にできるところを参考にして話せるようにしたいと思います。