手織り作業を見ていると、工場主の人がやたらと「ザリ」という言葉を使う。
最初は「サリー」の聞き間違いだろうと思っていた。
ところがどうも違うらしい。よくよく聞くと「ザリ」は金糸・銀糸のような金属を使った糸のことらしい。
サリーには縁飾りとプリーツにおって前に垂らす部分、そしてボディ部分とブラウスにする部分がある。
これが一枚の生地になって売られているのだが、縁飾り部分と前に垂らす部分にザリ(金糸)で模様を織り込むのが上等なサリーの特質になっている。
金糸、銀糸というので気軽に「日本でも帯を織るときに金糸などを使いますよ」と話したのだが…。
実は後で調べてみると、日本の金糸とインドのザリでは作り方が全く異なっていたのだ!! (これについては次の投稿で)
インドでも本物のザリを使った手織りのサリーは高価なもの。結婚衣装として用いられることが多い。
「この頃は機械織で、しかもザリまでプラスチックの芯を使って色をつけただけの物が多くてね…」
「でも、本物と比べりゃ、すぐにわかるよ」
こういう言葉と共に広げられた数々のサリー(もちろん全て金糸が使われている)。 パッと見た目ではわかりにくいが、機械織は手に取ってみると冷たく感じる。
合成繊維で作られたザリは見た目は鮮やかに見えるが、光り方が均質で深みがない。
拙い英語でそんなことを伝え、恵里子さんや紗らささんと盛り上がっていると、次々とサリーが出されてくる。 (いやぁもう時代劇で見る呉服屋さんです)。
面白かったのは「おばあさんのサリー」。
使う糸の数を減らして軽量に仕上げているサリーのことだ。
軽いので年齢を重ねた方が着ても負担にならないというので「おばあさんのサリー」。
日本でいうと「羅」や「紗」にあたる織り方である。
日本だと羅や紗の方がお値段が高いのだが、インドでは使う糸の数が少ないからお安くなるのだ(実際半額程度になっている)。
職人の技術を理由に高くする日本、使う材料で合理的に値段を決めるインド。
そんな対比ができるのかもしれない。

糸巻に巻かれた金のザリ

本物のザリを使った手織りのサリー

上の青いサリーが機械織でプラスチックの芯を使った紛い物ザリを使っているもの。下のサリーは手織りで本物のザリ

おばあさんのサリー